友達が2階から落ちた
【スポンサーリンク】
「今病院にいます」
かなり前の話になるのだけど、上記のメッセージが僕のLINEに届いた。
僕の友達に酒癖と女癖が悪いやつがいる。
今回の連絡はまさにそいつからだった。
ついに満を持して刺されたか…。
真っ先にそう思ったし、全然心配じゃなかったし、何なら名も知らぬ女性グッジョブくらいに思ってたけど、一応心配する感じで返信した。どうした、何があったの、と。
すぐに返事が来た。
「2階から落ちたみたい」
なるほど、突き落とされたんだ。
それはそれは…、みたいなお悔やみ申し上げ的な返事を返したらまたメッセージが来た。
「病院の診察終わったら会社行くから上司に言っといて」
この時、こいつと俺は同じ職場で働いていたんだけど、どうやら今日こいつは会社に来るみたいだ。休めよ。俺だったら絶対に休むよ。
その後、俺は出社して、そいつが今病院に居て遅れて会社に来ることを上司に伝えた。
「休めばいいのに…」
上司も同じこと言ってた。
何だかんだそいつは根が真面目なので、仕事は何が何でも無遅刻無欠席のタイプなのだ。
多分家が燃えてても会社に来るタイプ。俺と真逆。
本当ばかだなーと思いながら仕事をしながらそいつが来るのを待った。
そして昼過ぎにそいつが出社してきた。
…何かフルーツに付いてるネットみたいなの頭に被ってきた。
メロンちゃん…?
「メロンちゃんじゃねえよ。」
メロンちゃんの態度が悪い。荒れている。
メロンちゃんに何があったのか聞いてみた。
メロンちゃん「実は俺もそんなに記憶がないんだけど…」
・
・
・
話を聞くと、昨晩メロンちゃんは友達と飲んでいたらしい。
結構な量の酒を飲んでたらしく、ぺろんぺろんになりながら家まで帰った。
しかし家の前に着いたはいいけどどうやら鍵が無かった。ちなみにメロンちゃんは一軒家に住んでいる。
悩んだメロンちゃんは、配管をよじ登って2階のベランダから家の中に入ることにした。セルフ空き巣スタイルだ。
後少しでベランダに手が届く…、そんな時、手が滑りメロンちゃんは儚くも地面に叩きつけられた。
打ちどころが悪かったメロンちゃんは気を失ってしまったらしい。
しばらくして目が覚めたが、まだ酔っぱらってたらしく、自分が2階から落ちたことを忘れてたみたいでもう一度ベランダに向かって登り始めた。タイムトラベラー。
今度は何とかベランダに上がることができて、鍵も開いてたみたいで無事家の中に入れた。
安心したメロンちゃんはそのまま寝た。
朝起きたメロンちゃんの目の前には壮絶な景色が広がってた。
枕が血だらけだったらしい。
うろたえながらも病院に行って、そして今に至る…という感じの経緯だった。
女性絡みの怨恨だと思ってたけど完全に自滅だった。ボンバーマンメロンちゃんだった。
ボンバーマンメロンちゃん「頭縫ったんだけど、縫った箇所、髪の毛がもう生えないらしい…。」
3年分くらい笑った。ハゲじゃん。
温水洋一さんですか…?とかいじり続けたらボコボコにされた。元気じゃん…。
俺がずーっとメロンちゃんメロンちゃんっていい続けたら会社の人もそいつのこと「フルーツの人」みたいな感じで言い始めて、いいグルーヴが生まれてた。
ただ、その後メロンちゃんって言う度にそいつから結構強めの肩パンを貰い続けていたので、その日はもう俺の肩は壊死した。
後、バカにする度にメロンちゃんが走って追いかけてきたんだけど、傷口がちょっと開いて包帯に血が滲んでて笑った。顔色悪くなってた。ごめん。
そんなメロンちゃんですが、ここ最近結婚しました。おめでとう。
お互い、遊ぶ回数は減ったけど、どうかお元気で。たまにはまた無茶な飲みしましょう。
そういえば俺も過去に家の鍵無くして入れないことあったな…。