体が丈夫な話

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こんにちはケイタモスです。

僕は昔から体が丈夫だ。 デカい病気になったこともないし、疲れもそんなに溜まらない方だと思う。

 

昔、バイクの教習に通ってる時に、思いっきり自分の足を轢いてしまったことがある。

それはもう激痛だった。絶対に折れた。はい、折れたー! 僕が声を押し殺しながら地面を転がっていたら教官が心配して寄ってきた。

 

確実に骨が折れた自信があったので、僕は涙目だった。 絶対に骨も折れてるし、その日は教習は中止になり、僕は電車に乗って帰っていた。

 

足は痛いが、大きなケガをしたことがなかった僕はなんだか誇らしかった。 ついに・・・骨が折れた・・・。足は痛いが大人の階段を上ったような晴れやかな気分だ。

 

当時10代だった僕は、骨を折ったことによりアドレナリンが出まくっていた。

 

その高揚した気分のまま、僕は前略プロフィールの「リアル」という現代でいうtwitterのようなSNSに、 話を3倍くらい盛りつつも、骨が折れたことを書いた。

何人かの友達が心配してくれたり、バカにしてくれたりしてきたことがうれしかった。

 

気持ち良い・・・。僕の中の承認欲求的な何かが満ちていく。

 

あと、なんていうんですかね。 ちょっと苦しそうな顔しながら足をひきづりながら帰ってる自分、すごいかっこいい! 悲劇のヒロイン感がすごい!!完全にこの世は俺が主役!

 

 

実家に着いて開口一番、僕は母親に伝えた。

 

「これは完全に骨が折れている。」と。

 

母親はとても心配してくれた。気持ちよかった。 なんかご飯とかプリンとかいろいろ部屋に持ってきてくれた。

小生、完全に王様である

 

当時気になっていた女の子にも連絡した。

「これは完全に骨が折れている。」と。

その子はとても心配してくれた。うれしかった。 これはもう近いうち完全に付き合えると確信した。

 

 

僕はニコニコしながら寝た。

 

 

 

翌日、絶対に足の骨が折れているので僕は学校を休んだ。

 

母親が聞いてきた。 「大丈夫?起きれる?」

僕は苦笑しながら答えた。 「ハハッ・・・ちょっと痛むけど大丈夫だよ。ありがとう。」

もう完全にこの世は僕を中心にまわってる。そう確信した。

 

 

母親が運転する車に乗って、僕は整骨院に行った。

 

 

受付の人に、骨が折れていると思う、とハッキリと伝え、優先席っぽいとこに案内してもらった。

 

 

院内はそこそこ人がいたが、すぐに僕の名前が呼ばれた。

 

へへっ・・・すみまへんな? こっちは骨が折れてるやさかいに・・・。 お先にいかせていただきますわ・・・。

 

僕はとびっきりの悪い顔をしながら案内されたとこに入った。

 

 

先生に指示され、僕はベッドの上で寝た。

まずは患部を触診される。 とりあえず、触られたところは大体痛いですと伝える僕。骨折れてるしね。

 

続いてレントゲンを撮ることに。

 

 

レントゲンを撮った後、待合室でしばらく待っていたら、僕の名前が呼ばれた。

 

 

 

 

そして、先生から診察結果が告げられる・・・!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ねんざだね。  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

 

 

冷や汗が出てきました。

 

 

 

 

色々な人に心配かけといて、まさかのNENZA。

 

 

僕はうろたえながら先生に聞いた。

 

「えっ、先生!骨折れてなかったんですか?!」

 

先生は淡々と答えた。

「うん、ねんざだね。それよりも足のもともとの骨のカタチ、ちょっと変だね。

 

 

ねんざだし、足のもともとの骨のカタチはちょっと変みたいです僕。

 

 

足の骨のカタチ変沢恵太は諦めきれなかった。 なぜなら、いろんな人にもう骨折だって言っちゃったから。

 

 

歩くのは別にしんどくなかったが、せめてものカタチとして僕は人生で初めて松葉杖を借りた。

 

 

母親に、病院で起きた真実を告げたら、午後から学校に行けといわれた。すでに塩対応だった。 僕の王様タイムは終わった。

 

 

 

僕は人生で初めて松葉杖をつきながら学校へ行った。

脇に食い込む松葉杖は少しだけ痛いし、松葉杖に重心を預けて歩くのはこんなにも疲れるのか。

 

 

教室の前で深呼吸してから、足の骨のカタチ変沢恵太はドアを開けた。

 

そこには骨が折れてない28人の健全な同級生が授業が受けていた。

いや・・・そこに僕も加わるから、骨が折れていない生徒が29人か。 そう、僕は足の骨が折れていないから。 本当なら、骨が折れてない28人の生徒with足の骨折れてるケイタ1人になる予定だった。

僕はもっと心配されたかった。

 

 

 

その後、少しだけ教室がザワついた後、普段どおりの授業が始まった。

 

 

授業が終わった後の休み時間に、友達が寄ってきて心配しに来てくれた。

 

「足、大丈夫?松葉杖大変だね・・・。」

 

 

 

 

 

僕はとても返答に困った。困った末に嘘をついた。

 

 

 

「うん、骨折では無かったけど、靭帯やっちゃったみたい。しばらく松葉杖だって。」

 

 

骨も折れてないし、靭帯もやっちゃってない。 とっさに嘘をついてしまった。嘘に嘘を重ねた僕はクズである。

 

あの時、心配してくれた全ての方にここで謝罪させていただきたい。 本当に申し訳ございませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

後々知ったのですが、靭帯を切っていたらまともに歩けないみたいですね。

 

5日後くらいから普通に鬼ごっこしてました。本当にありがとうございます。

 

みんなわかってるのに気を使ってくれたのでしょうか。

 

皆様、体はお大事に。

足の骨のカタチ変沢恵太でした。